Jubilee・それぞれの時間・火事

打ち合わせに向かう中央線の車内、
ipodに入れたばかりの、くるりの「Jubilee」を聴こうとスイッチをONにした。
ああ、5秒聴くだけでイイ曲だ。
妙に晴れ晴れとした冬の空と
陽を反射した新宿のビル群を眺めながら岸田の声に耳を傾けていると
時間がゆっくり流れていくようだ。
岸田の声もゆっくり流れていくようだ。ゆっくり。
そして、低い。


何かがおかしい。


僕の知っている「Jubilee」はこんなに遅くないし
僕の知ってる岸田もこんなにバリトンボイスではない。
なんだかテープが伸びてしまったような曲になっているのだが
ipodなのでテープは伸びないはずだ。


「これは何か非科学的な力で、僕の時間だけが早く進んでしまっているのでは/
そういえば回りの人の動きがとてつもなくゆっくりに見える/
今なら走ったらすごい早いのかも/でもこのままだったら回りに合わせて
ゆっくり動く練習をしなければならない/
心臓の動きも速くなっているってことは僕の寿命は縮まるのかな/
それじゃあ文字通り「生き急ぐ」ってことだ/
「♪人は〜それ〜ぞれ〜のライフ」/そんなの嫌だ」
などと思ったのも束の間、
それは単に隣のおばあちゃんがゆっくり動いていただけであった。
スローBPMでキーを4度ほど落とした「Jubilee」は終わって
ハイトーンでないボノボの「Thank you for the music」が始まった時に
やはりこれはipodがおかしいのだと気づいた。


一度電源を落としたら元に戻ったのだがあれは何だったのだろう。
さすがに寿命か。(僕のipodは初代のもので6年選手なのだ)

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阿佐ヶ谷パールセンターで昨夜火事があり、
1Fの僕の行きつけの喫茶店
2Fの妻の行きつけの美容院が全焼してしまった。
怪我人などは出ていないようなのが不幸中の幸いなのだが
火事は怖い。


実家に住んでいた頃、
夜中に騒がしくて目を覚ますと窓の外が一面火の色!
急いで外に出ると
1ブロック先の住宅建設現場が燃えまくっていた、
という経験を思い出した。


みなさんも火の元にはご注意を。
と、外出するとガスコンロの火を
消していないのではないかという疑念に襲われて
どうしようもなく不安になってしまう僕なのでした。