ミョウガ・世界・おわりとはじまり
ああ、もう夏が終わってしまった。
「終わってしまった」と言うタイミングさえ
既に若干逸しているような気もする。もう9月も半ばだ。
過ぎた(我が家にとっては特別な)夏を思って
ミョウガなどつまみながら飲む土曜の夜。
僕はミョウガが野菜の中でも三指に入るほど大好物で、
薬味にするのはもったいないほど好きなので
甘酢漬けにして食う。
他のどんな野菜にもミョウガの味が似ていないのは
まだ開く前の「花」を食べているからだ。
食用している一枚一枚が花の蕾なので強い味がするのだ。
そんなミョウガを甘酢にひと晩漬けて
少ししんなりしたところできれいに開くと
花が咲いたようになる。
秋に向かいながら読書月間。
読もう読もうと思って放っておいた作家がたまりまくっているので
イキオイに任せてAmazonでどんどんクリックしてしまう。
買ったけど未読なものも含めてざっとリスト。
面倒くさいのでAmazonへのリンクはなしで。
・世界は音楽でできている[中南米・北米・アフリカ編]/北中正和
・食の世界地図/21世紀研究会
・生物と無生物のあいだ/福岡伸一
・シカゴ育ち/スチュアート・ダイベック
・ソフトアンドハード/佐々木敦(再読)
・奇想の20世紀/荒俣宏
・世界は密室でできている。/舞城王太郎
・煙か土か食い物/舞城王太郎
・九十九十九/舞城王太郎
・フルタイムライフ/柴崎友香
・モモ/ミヒャエル・エンデ(再読。22年ぶりに)
ときに世界は、
音楽でできていたり、食べ物でできていたり、
利己的な遺伝子でできていたり、密室でできていたり、
女で回っていたり、
半分はやさしさでできていたりするらしい。
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完全に夏はおわって、
かといって完全に秋がはじまっているわけではなくて
晩夏でも初秋でもない
この完全なおわりと完全なはじまりのあいだの
不確かな短い季節を味わいつつ。