ご報告・2.0・リアル

近しい人や会う機会があった人には直接伝えてあるので
知っている方も多いと思うけれど
この度、子どもが生まれることになりました。
実は「この度」なんて言いながらもうだいぶ月日は経っていて
ただいま奥さん妊娠8ヶ月目に突入、
この夏には新たな家族が増えるという
アタフタしているとすぐに臨月を迎えそうな近況である。


妊娠をブログで発表。って芸能人かよ、って感じなのだが
普段会わない人にもみんな宛に一斉にお知らせできるというのは
やはりブログというのは便利である。
これで生まれたらビデオに撮ってYoutubeにアップして
実家の両親にメールしてAmazonの商品ページを添付して
孫バカまっしぐらコースのうちの親父がポチッとクリックして
お祝いが届く、ってのがweb2.0とか言うんでしたっけ。違うか。
それ以前にうちの親父はパソコンを持ってなどいないのでした。


真面目な話。
僕は2人兄弟の長兄なのだが実は兄がいた。
いた。と過去形なのは僕の生まれる1年前に
1歳で亡くなってしまったからだ。
今まで僕はこの事実をリアルな出来事として消化していなくて
ただぼんやりと「我が家の歴史に起こった遠い不幸」
というふうにしか感じていなかった。
でも、いざ自分の子どもがこれから生まれるという事実に直面して、
奥さんの次第に大きくなってくるお腹に驚愕したり
体調を心配したり、名前を考えたり、あれこれ想像していたりすると
34年前に我が家に起こった出来事が
ありありとリアリティを持って感じられてきて
両親の悲しみの大きさとか
自分と、奥さんが今まで無事に育ってきたこと自体が素晴らしいことだとか
生まれてくる子がどうか健康であるようにとか
色々なことを考える。


最近になって母から聞いたのだが
僕の生まれたときの骨格や器官、体のつくりは
兄にまったく瓜二つなのだと医者に言われたそうだ。
それが珍しいことなのかどうかは良く分からないし、
オーラの泉』のようなスピリチュアルな幻想を抱くことはないけれど
少なくとも兄の存在がよりリアルに感じられるようにはなった。


まだまだ「親になる」ということに対して何の実感も湧かないのだけど
お腹の中の、不定形で曖昧だったものが
だんだんと人間に近づいてきて
生命のリアリティを持ってくるのと同時に
僕の中でも、不定形で曖昧だったいくつかの現実への向き合い方が、
リアルな姿で現れてきているのかなとも思う。


僕は男なのでこんな風に遠回りして
「親」になることを獲得していくのだろうけど
奥さんに起こっている体の変化とか
「蹴った」とか「動いた」とか言って笑うのを見ていると
なんかもう、そこには全く別の次元のダイレクトな獲得があって
やっぱり女性はすごいなあと思ったりする。



撮影の合間に高田純次さんに書いていただきました。
こりゃあ安産に効きそうだ(笑)