気胸で入院 その2

「だれかーだれかー」
「あーうるせーっ!行くってんだよコラ」
「すみませーん、だれかー!」
「離せ!離せ!オイ!」
「どうしましたー!?」ガヤガヤ
「お兄ちゃん、そんな体で帰れるわけないでしょ!」
「知るかっ!帰る!」
「今から先生が来ますから」
「知らね−ったら知らねー!!あんたらも離せっ!」
「ちょっと困ります困ります困ります」


ガヤガヤ。
怒号と悲鳴で目が覚めた。朝の5時。
なんだか難儀なことが起こっているらしい。
どうやら初老の患者が何か気に入らなくて
病院を出て行こうとして妹が引き止め
集まったナースたちも交えて必死に説得しようとしているようです。


「お兄ちゃん病気なんだから言うこと聞いて!」
「うるせーーっ!!」
「とりあえずそんなカッコでうろうろしないでズボン履いてくださいっ!」


上官殿、脱走兵はパンツ一丁の模様であります。…ムニャムニャ。
というかまだ眠いのであります…寝るのであります…。
僕はなぜか兵隊口調でまた夢うつつに沈んでいきます。


また目が覚めた時には事態は収集しており(たぶん出て行った)、
朝から疲労困憊のナースたちがせわしなく働いていました。
病院では早朝から色々なことが起こります。