気胸で入院 その1

ブブブブブ。ブーン、ブーン。真っ暗な病室で目が覚める。
ベッドの脇に置かれた低圧吸引器は鈍い音でうなったままだ。
吸引器から伸びたチューブの一方は僕の脇腹に挿さった針に繋がっている。
同室の患者は、心臓を患っているお爺さんと、
めまいがするおじさん(寝てばかりいる)、
膵臓の悪いフランス人(日本語は話せない)の3人だ。
僕の知る限り、僕以外の3人ともいびきをかく。
ゴーゴー。ガーガー。グーグー。ブブブ、ブーンブーン。
21日の夕方、急に胸が痛くなり、翌日になってもまだ苦しいので医者に行くと
気胸」と診断され総合病院に即入院となった。
以後4日間、トイレとレントゲン検査以外はベッドに繋がれっぱなしだ。


気胸であることはある程度予測していたのだが
自宅静養くらいで治るかと思っていたので入院には驚いた。
31年間ほぼ健康体で過ごしてきたのに初入院なのですよ。
その他、初救急車、初車椅子、初CTスキャンと初物づくしの入院初日。
さすがに30歳も過ぎるとフィジカルに衝撃的な初体験なんて
病院くらいでしか味わえないんじゃないかと浮かれ気味。
ビバ!チェリーボディ!(ホントは沈み気味)。


気胸というのは肺に孔があいて空気が漏れて
胸郭にたまった空気が肺を圧迫して苦しくなる病気で、
僕の場合は右の肺が通常の1/5の大きさになっていたので
そりゃあ苦しいはずである。
ボリス・ヴィアンは肺に睡蓮が咲く病に冒された少女の美しい小説を書いたけれど
肺に桔梗、ならぬ気胸の病ではただただ寝ているしかない。


と、ここまで書いていたらドクターがやってきて、
あまり経過が良くないので脇腹のチューブを3.4倍太いものに変えましょう
ということでブスブスと新しい針を挿されて痛いのなんの。
本日はここまで。