駅の美術館・駅の建築・駅の明るさ

終わり間際の『前川國男展』を見るため、終わり間際の東京ステーションギャラリーへ。
終わり間際というのは閉館時間のことではなくて、
この展覧会の終了日、3月5日をもってこの美術館が休館してしまうのだ。
東京駅が4月から長期の復元工事に入り、
1914年竣工当時の3階建ての姿に生まれ変わるそうで
工事に伴ってステーションホテルもギャラリーも長期の休館となる。
先々月、ステ−ションホテル内の
これまたクラシックなレストラン「ばら」にも食事に行ったのだが
あまりのノスタルジックな内装と給仕さん達の制服と料理にノックアウトされた。
ザ・様式美。デス・クラシック。


休館といえども新しく出来る施設が今の雰囲気のまま
残るかどうかはやっぱり疑問で、
ここの昭和が色濃く匂う佇まいが失われてしまうのはとても悲しい。
大正時代の姿に復元するのはいいけれど
それはあくまで「大正風」の姿だからなあ。
外観だけ復元して中身はピカピカのハイテクみたいな
偽物建築だけは止めてほしい。


前川國男展』はやはり素晴しく良く、
気分の良いまま東京駅地下の「BARbar Tokyo」という立ち飲み屋でギネスを一杯。
ギネスの温度も泡の具合も素晴しく良く、
気分の良いまま八重洲口地下街をぶらぶらして家に土産のお菓子など買う。
八重洲口のお店めぐりは楽しいがいかんせん明るすぎる。
僕は駅というものは暗ければ暗いほど良い駅だと思っていて
昔の上野駅について語りたいことがいっぱいあるのだがまた次の機会に。


さっき一杯って書いたけど、嘘(笑)。二杯飲んだ。
明るい改札を通って中央線で帰る。ほろ酔いで。