花見・凝縮・オトナ

新井薬師公園で花見。あいかわらずローカルである。
同じメンバーで毎年花見をしていると
年々と「花見の仕方」がうまくなっていくことに気付く。
それほど混雑していなくて、でも楽しく酔っぱらっても浮かない場所を見つけて、
場所取りの方法やうまい待ち時間のつぶし方を覚え、
周囲の見ず知らずの人とも自然に仲良くなって酒を飲み交わす。
ガスコンロやテーブルがとても役に立つことを知り
手作りの花見弁当がとても美味しいのを実感して、
日が暮れると早々と切り上げて暖かい飲み屋に場所を移す。


肝心の桜も、ハタチそこそこの頃には殆ど見るのを忘れていたのに
今では花見の最中にきちんと眺めて風流なことを恥ずかしく口走ったりする。


桜が咲くことに日本人は何とも言えない特別な感情を抱いてしまうけれど
それは「また春がやってきた。去年の桜からもう一年経ったのか」
という過年の思いを、桜の咲くほんの短い期間に凝縮して感じるからかもしれない。


春がやってきて、ひとつオトナになって、花見の仕方がうまくなってゆく。
花見はオトナの尺度をはかるイベントだったのだ。
来年は更にオトナな感じで。最終目標は屋形船貸し切りで。