R.I.P.

友だちから電話がかかってきて、昔とてもお世話になった人が亡くなったと聞いた。
その人は僕よりひと回りくらい上だったので早過ぎる。


その人は一度も年上ヅラや先輩風を吹かしたことがなくて、僕らがまだガキだった頃に同じ地平に立って話をしてくれる人だった。一緒にバカなことをいっぱいやって一緒に怒られて一緒に酒飲んで笑った。一度も敬語なんかで話したことがなかった。


年下の友人とつき合う時には相手の地平まで降りてってバカ話しながら楽しもうっていうその人の姿勢は、僕が大人になってから同じような境遇に立った時にいつも脳裏に薄く浮かんでいた。その人みたいに年下の友人と接しようといつも思う。今だから言う訳じゃないけど本当に折に触れて思い出すことがよくあった。


もう何年も会っていなかったし連絡も取っていなかった。
なんだか実感も湧かないし、悲しみに暮れて何も手に付かなくなるほどの関係ではいまはもうなかった。一日、淡々と仕事をして普通の生活をしながら1時間に一回くらい「あ、●ちゃん死んじゃったんだ」と思い出してそのたびにポカンとした。しばらくは一日に何回かこういう風に思い出すだろうし、その人の姿勢は僕の中に薄く貼り付いたままでいるだろう。




なんだよー。早過ぎるよー。