アースコミュニケーション・Typetrace・行脚

昨日はThink the Earthプロジェクト主催の
「アースコミュニケーション 〜伝える・繋げる・広げるチカラ〜」という
セミナーで東京ミッドタウンのデザイン・リエゾンセンターへ。
講師は電通の白土謙二さん。
内容は広報/広告よりのセミナーだったので
直接僕がやっているような仕事に結びつく話ではないのだが
表現のアウトプットの部分では興味深い話もいくつかあった。


講演を聴きながら実は他のことをぼーっと考えていて
それは「ノートにメモを取る方法」とか
「取ったメモの事後再現性」についてだった。
最近よくマインドマップとかブレインマップなんて言っていたりするけど
メモを書く行為として、どんないい方法があるのか僕はあまり知らない。
(もしかしたらメモなんて取らないでしっかり聴くほうが良いのかもしれないし)
よく考えたら人の話を聞いてノートを取ることなんて久しぶりだったし
講師の白土さんがホワイトボードに文字を殴り書きしてどんどん消していくので
その、文字情報と時間軸の更新具合が面白いなあと思いながら考えもまとまらずに。
メモする行為そのものが「考えがまとまらない状態」に付随していて
「書く」と「読む」と「話す」文字は当然すべて別次元のもので
その別次元のものを「メモ」に集約するのはなんて高度な情報処理なんだろうと思う。


たとえば僕がブログの文章を書くときも
メモ的にキーワードをどんどん打ってしまって
そこから文章化していったりする時もある。
(実際に「いま」も色んなワードを打っては消している)
そうすると出来上がった文章に流れている時間と
書く時に流れている時間がまったく異なっていて
あとから自分の文章を読むと、
当人にしかわからない「ズレ」みたいなものがあって面白い。


完成した文章を読むことすら線形に進むとは限らないわけで
話すことや書くことがどういう図を描いているのか。
なんだかそういうことって、本や雑誌をデザインする自分の仕事にも
密接に結びついている。

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先日知って気になったのはdividualの「TypeTrace」というプロジェクト。
キーボードで作業した経過をすべて記録して再現するというプログラムなのだが
タイピングする手が止まるとその時間も記録して悩んだ分だけ文字が大きくなったりする。


dividual「TypeTrace」
http://dividual.jp/get/tt/
アプリもダウンロードできる。試しに使ってみると自分の不格好なタイピングとか
思考のまとまらなさが良く分かって笑える。


このプログラムを使って作家の舞城王太郎氏が
小説を書くプロセスを展示したのは後から知った。
この方の記事が詳しい。
http://tokyo0801.blog55.fc2.com/blog-entry-328.html

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講義後の交流会。
先日のシブヤ大学の大パーティーと違って
参加人数も50人ほどだったのでゆっくり話せる感じ。
そしていつもながらまたまた面白い人たちに会う。


これにて1ヵ月ほど続いた「パーティー行脚して人に会う月間」はひと段落。
初対面で、短い時間で話せることなんてたかが知れてるのだけれど
「人にたくさん会うこと」によって見えてくるものもあるのかなと思う。