ヘンリー・ダーガー・ドレス・アウトサイド

ずうっと行ってなかった
ヘンリー・ダーガー展』を見に原美術館へ。


http://www.japandesign.ne.jp/HTM/REPORT/art_review/40/index.html


ヘンリー・ダーガーについてはこちらを参照。


実物を見て、
とてもチャーミングで可愛らしい。というのが
僕の印象だ。
(今回の展示は拷問や残虐のダークな絵は
意図して省かれているらしいのですが
たとえそれが展示されていたとしても
そのチャーミングな印象は変わらないのでしょう。
女の子たちのコラージュやトレースの原画となっているのが
ファッション誌やコミック誌
いわゆるパルプマガジンなどが多くて
彼女たちのファッションが
とてもガーリーで、フェミニンで、おしゃれで
アメリカのホームドラマで子役が
「あら素敵なドレスだこと!」とでも言いそうな雰囲気なのが
またチャーミングさを増大させています)


チャーミングであればあるほど
彼の人生はあちら側、絵の中にあるということが
浮き彫りになってくる。
この非現実への内向を、ダーガーの孤独とか哀しさに
結びつけるのは「こちら側」の人間の勝手な論理なのだろう。


僕は、ダーガーの絵に対して
障害者の描く作品とか非・美術教育者という意味での
いわゆる「アウトサイダー・アート」だとは
ぜんぜん思わないのだが
「アウトサイド」が絵の中の世界のことなのだとしたら
ダーガーはまさしく「アウトサイダー」であると言えるかもしれない。


大家でダーガー発見人のネイサン・ラーナーの
「施設に入所した後、
数ヶ月で亡くなってしまったことを考えると、
彼は自分の人生をあの部屋に置いてきてしまったのではないか」
という言葉はなんだかとても印象に残る言葉だった。