気胸で入院 その8

ようやく退院。久しぶりに出た外界は雨だった。
僕は救急車でここにやってきたので
入院中ずっと病室の窓から見える景色しか見ていなかった。
自分がいる病院の正確な位置さえ知らなかったのだ。
2週間前と比べて何かが変わっているような気がしたけれど
それが温度や湿度なのか、僕の内的なものなのかはよく分からなかった。


気胸という、それほど重くもない病気ですら
しばらく病院で過ごすはめになると
自分の体のことや生活について沢山考えたし、
もちろん、というかやっぱり、生とか死について
思いを巡らせたりもした。
入院という極度の監視状態と、身体機能の欠如からくる弱さが合わさると
どんな患者もエゴや我がだんだん表出してくるということも知った。
病院の中では外界とはまったく違う時間が流れていた。


そんなことを思い出しながら
僕は2週間あまりを過ごした建物の脇を
また自転車で走り抜けたりするのだろう。(肺に息を思いきり吸いながら)
すっかり木々は新緑に染まっていた。


今回の入院で色々な人にご迷惑ご心配をかけてしまった。
励ましの言葉をくれた友人知人、お世話になったドクターやナース
そして家族にとても感謝しています。
過労や不摂生が気胸の直接の原因ではないものの
やはり自分の健康についてきちんと考えなければいけないなと思っています。
最近は(入院前の日記の件も含めて)警鐘を鳴らされてばかりだなと
胸に手を当てつつ(軽笑・いや、そんなことはなく)。