2006-05-01 気胸で入院 その4 何の色もなかった。何の夢もなかった。 背中に硬膜外麻酔を穿たれ、吸入と点滴で全身麻酔に落ちた意識の下は どんな感じなんだろうかと少し期待していたのだが そこには何もなかった。 白い霞が晴れる感じも、浮遊した感じもなくて ただ名前を呼ぶ声で僕は目を開けた。 手術室で意識がなくなった点と現在の点がワープしてくっついたような感覚。 すっぽりと僕が僕である時間が消えて 体の痛みだけが残っていた。 手術は成功したらしかった。 僕はまた目を閉じて、一晩中痛みと体の重さに悶えながら 今度は沢山の夢を見た。