気胸で入院 その6

「きょう来る時に鬚剃りを持ってきてください。脱獄用に使います。」
今朝カミさんに宛てたメール。

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伸び放題だったあごひげを剃りました。
顔に剃刀を当てながら
「そう遠くないうちに退院できるかな」と考えていたら
この気持ちが何かに似ていると気づきました。
それは海外旅行の飛行機での目的地到着の直前の気分に似ているのでした。
顔を洗い、身だしなみを整え、シートベルトを閉める。
スロー・ランディング。ロー・アルティテュード。


ボーっとこんなことを考えているわけは
病院と飛行機のいくつもの共通点、
清潔さと閉塞感とか、トレー・ミールとか、
制服の記号性とか、ドクター/ナース、パイロット/CAの構図とか
(うわ、考えてたらどんどん出てきた。誰かもっと掘り下げてみてください)
そういうものに感化されたからではなくて
このGWに予定していた香港4日間の旅行を泣く泣くキャンセルして
ヨンキー酒家のロースト・ダックも福臨門魚翅海鮮酒家の飲茶も
全ておじゃんになったからなのです。ただの泣き言です。
(ちなみに僕は7年前に香港にいった時も滞在中に熱を出し
旅程の後半分をホテルで寝て過ごしました。たぶん香港は鬼門なのでしょう)


連々とこんなことを書いていたら
キャビンアテンダントが点滴を打ちにきたのでシートに戻ります。